外注管理を成功させる外注コントロールのポイントを解説〜ツールやコツも紹介〜
自社業務を外注する際に、失敗しないか不安に思われる方もいるのではないでしょうか。
トラブルなく、円滑に業務を進めるためには、外注管理は欠かせないものです。
この記事では、外注管理の方法や円滑に進めるコツや注意点などを解説しています。外注先との関わり方にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
自社業務を外注するなら管理は必須
自社の業務を外注することで、外部パートナーのもつ高度な技術や専門性を有効活用できるうえ、必要なタイミングでのみ発注できるメリットがあります。ただし、こういったメリットを最大限享受するためには、外注管理は欠かせません。
外注管理は重要であるものの、意識の共有や外注先の業務の可視化ができないことが往々にしてあるため、コントロールは意外に難しいものです。
そこで、ここからはどのような管理方法を用いれば外注コントロールができるのかを解説します。
外注管理の方法〜ツールも併せて紹介〜
外注管理の方法はいくつかありますが、下記のようなものがよく活用されています。
- ガントチャート
- TO DOリスト
- WBS
- PERT法
初めてであれば大変そうに思われるかもしれませんが、身近にあるツールで導入できるケースが多いため、あまり難しく考える必要はありません。
また、上記のような方法を単一で使うのではなく、併用して使うことでより精度の高いスケジュール・タスク管理ができるでしょう。
ガントチャート
(図解)
ガントチャートは工程管理ができる表をさします。さまざまな業界で使用されているため、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
縦軸にタスクや担当を、横軸に日にちを記載して棒グラフで表示するもので、視覚的にも非常に分かりやすい方法です。
プロジェクト全体の工程スケジュールや進捗が明確になるだけでなく、各工程の担当者も明示されるため、特定のメンバーの負荷が高くなっていれば気付きやすいメリットもあります。
Excelなどの表計算ソフトで作成可能であり、クラウド上で作成すればリアルタイムで反映され非常に便利です。
一方で、プロジェクト開始前から作成するため、進捗状況によっては修正を要する場合も往々にしてあります。工程の多いものであれば、修正作業もかなりの手間となるため、作成時の見積もりと精度に左右されるため、注意してください。
TO DOリスト
TO DOリストは、タスクをリスト化したものです。個人ユースでもよく使われているのではないでしょうか。
やるべき作業が明確になり抜け漏れを防ぎやすく、優先順位をつけて作業を行えるメリットがあります。一方で、シンプルな管理方法であるため、中長期的なプロジェクトや複数のプロジェクト管理にはあまり向いていません。
ツールとしてはExcel、google to do、notionなどで作成可能です。
WBS
WBSとは作業分解構成図の略で、作業内容(work)を分解(breakdown)して構造図(structure)にする方法です。
短期プロジェクトでは必要な成果物から逆算して、中長期プロジェクトではプロジェクトの階層に着目して、作成するケースが多くあります。
- プロジェクトを構成する大まかなタスクを洗い出す
- 大タスクを細分化し、小タスクを記載する
- 小タスクの順序を整理する
- それぞれの期日と担当者を設定する
メリットは、工数が分かりやすい点にあります。また、WBSは前述のガントチャートとも相性がよく、WBSで洗い出したタスクをガントチャートに落とし込むと視覚的に全体のスケジュールや進捗状況が分かりやすくなります。作成ツールとしてはExcelやAsanaなどが適しています。
PERT法
(図解)
PERT法はProgram Evaluation and Review Techniqueの略であり、プロジェクトの見積もりと評価が可能な工程管理方法をさします。
PERT図を作成することで、プロジェクトに必要な工程と日数を把握可能です。必要な作業を洗い出して並べ、各工程を矢印で結びつけて作成します。
従来の管理方法ではプロジェクトマネージャーの経験や力量に左右されることもありました。しかし、PERT法では、図で各工程の依存関係(前の工程が完了しないと次の工程が開始できない)が視覚的にも明らかになるため、必要な工数や時間を把握しやすくなります。
ただし、各工程の進捗状況は把握しにくいデメリットもあります。
作成ツールとしてはPowerPointやLucidchartなどが使いやすいでしょう。Excelでも作成可能ではありますが、図を作るためPowerPointの方がより適しています。
外注管理を円滑にするコツ
外注管理にはさまざまな方法がありますが、これらを円滑に進めるためにはいくつかコツがあります。
- スケジュールの進捗管理
- 稼働状況の可視化
- タスクの細分化
- コミュニケーション
詳細は、以下で解説します。
スケジュールの進捗確認
外注管理に当たって必要不可欠となるのが、スケジュールの進捗確認です。
スケジュールを作成したままにするのではなく、期日から逆算して管理して遅れていないかを確認する必要があります。仮に遅れている場合は原因を究明し、速やかに対処しなければなりません。
また、進捗が順調でも各担当者のコンディションを把握しておくと、トラブルを回避できる場合もあるため、留意しておきましょう。
稼働状況の可視化
外注先の稼働状況を可視化できれば、さらに円滑に進められます。
さまざまなツールがあり機能は異なりますが、一例としては日々の活動(ソフトの利用状況やキーボードの打刻状況)の見える化、タスクのステータス管理など、これらを簡単に確認・分析できると良いでしょう。
タスクの細分化
プロジェクト全体に必要なタスクを細分化しておくことで、ツールを見た人が業務の全体像を把握しやすくなります。
また、細分化すれば、各タスクの難易度や必要なスキルも明確になるため、担当者を決める際にも役立つでしょう。各タスクの進捗が分かりやすいのもメリットといえます。
コミュニケーション
スケジュールを作成し進捗管理をするためにも、都度連絡を取ることも重要です。
しかし、コミュニケーションコストの問題もあるため、メールよりはチャットツールを導入するなどの工夫もした方が良いでしょう。レスポンスも早く行いやすく、メリットも大きいはずです。
また、定期的にミーティングの場を設けるなど進捗会議を開くことも重要です。近年では、Web会議を行いやすい環境も整っているため、積極的に利用して細かな内容まで伝達し、必要に応じて迅速に修正することで円滑に進められるでしょう。
いずれにせよ、発注側・受注側ともに負担が少なくコミュニケーションを取れる方法を選びたいものです。
外注管理で押さえておきたいポイント
外注管理の方法やツールの選定とともに押さえておきたいポイントがあります。外注でありがちなトラブルを予防するためにも、ぜひ確認しておきましょう。
契約書の作成
外注にまつわるトラブルを回避するためにも契約書は慎重に作成しておきましょう。特に明記しておくべきなのは、以下の項目です。
- 料金体系
- 納期
- 納品後の業務
費用面や納期はもちろんですが、納品後どこまで修正に応じるかなどはあらかじめ決めておかないとトラブルに発展しやすいため注意してください。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。(内部リンク「外注化」)
進捗の報告
進捗の報告も外注管理には欠かせません。定期的なミーティングを行い、進捗状況だけでなく、問題発生の有無も報告・共有しましょう。いつまでにどのタスクを完了するのか、確認しておくことで発注側・受注側の不安も軽減できるはずです。
トラブル対応
管理方法を工夫したり、気をつけていてもトラブルを完全に防ぐことはできません。
そのため、トラブル発生時の対応が重要であり、特に原因究明は必要不可欠です。チェックミスによるものか、スキル不足によるものかなどを特定して再発予防しましょう。
信頼関係の構築
外注先の選定やマニュアル共有の手間を考えると、できれば同じ業者と長く付き合いたいものです。これは発注側だけでなく、受注側にもメリットとなります。
しかし、そのためには信頼関係の構築は必要不可欠です。費用を抑えることばかり考えるなど、winwinとならないような仕事をすると継続的な仕事をするのが難しくなります。
信頼関係を構築して長く付き合うことで、ミスも減らせて選定コストも軽減できるものです。そのため、決して軽視せず外注先と付き合いましょう。
システム開発の場合の外注管理の注意点
システム開発で外注管理をする際は、まずは開発工程ごとのタスクを把握しておく必要があります。
また、開発手法によって進行が異なるため、それぞれに応じた管理方法を選定しなければ上手く行きません。
例えば、ウォーターフォール型のシステム開発を行う場合なら、ガントチャートが良いなど向き不向きがあります。そのため、工程や手法の理解が欠かせないのです。
開発手法については、詳しくはこちらの記事をご覧ください。(「システム開発 外注 管理」の内部リンク)
まとめ|管理方法の工夫をして外注コントロールしよう
自社業務の外注を行うにあたり、そのメリットを最大限発揮するためには、外注管理は必要不可欠です。
管理するにはさまざまな方法・ツールがあるため、プロジェクトとマッチしたものを選定してください。
そのほか、外注管理を円滑に行うコツや押さえておきたいポイントを念頭において、外注先と関わっていくと、良いお付き合いができるはずです。
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