開発の質を向上するコードレビュー

コードレビューとは、ソフトウェア開発において誰かが実装したコードを他の開発者が複数の観点から評価を行い、フィードバックや修正の提案を行うことを言います。

コードレビューは開発の質を向上させるために必要不可欠なものですが、レビューの目的や重要性、レビューに必要なポイントを理解しておかないと開発の質の向上に繋がらないことがあります。

この記事では、コードレビューの目的と重要性、レビューによって開発の質を向上させるために必要なプロセスの確立やレビュー時のポイントについて記載します。

最後には、クリーヴァでの実際のコードレビューを載せて、どのようなコードレビューを行なっているかを記載します。

コードレビューの目的と重要性

目次

コードレビューの目的

コードレビューの目的としては以下が挙げられます。

  1. コードの品質向上
  2. バグの発見
  3. チーム内の知識共有

コードの品質向上

コードレビューでは、「コーディングルールが遵守されているか」や「パフォーマンス性が損なわれていないか」などを確認します。

レビュイー(レビューを受ける人)は、一貫性のあるコーディングスタイルや最適な実装がされているかを確認し、改善点やコメントを記載します。

これにより、コード全体の品質を向上させることができ、保守性や可読性が高まります。

また、コーディングスタイルの統一やライブラリの適切な使用などについてもレビューすることで、開発者間の差異を減らすことも図れます。

バグの発見

コードレビューを行うことで、エラーやバグ、セキュリティ上のリスクを早期に発見することが期待できます。

他の開発者がレビューすることで、実装者が見落とした潜在的なバグやエラーを発見することが期待できます。

レビュアー(レビューをする人)は、実装されたコードが論理的に誤っていないかやデータの処理ミスなどを特定し、問題の改善を提案します。

バグが本番環境にリリースされる前に修正されることで、ソフトウェアの信頼性と安全性を保つことができます。

チーム内の知識共有

コードレビューを行うことで、レビュイーはレビュアーからのフィードバックや指摘を通じて、より効率的で品質の高いコーティング方法(ベストプラクティス)を学ぶことができます。

また、レビュイーだけでなく、チームメンバーも自分以外が書いたコードを見たりコードレビューを見ることで、異なるアプローチや新しいテクニックを学ぶ機会を得ることができます。

そのため、コードレビューは品質向上やバグの発見以外にも、開発チーム全体の知識・技術レベル向上にも繋がるものと言えます。

コードレビューの重要性

コードレビューはソフトウェア開発プロセスにおける重要な要素です。

目的と重複しますが、適切に行われたコードレビューは、コードの質の向上やエラー・バグの早期発見を期待でき、プロダクトの品質を保つことに貢献します。

また、品質以外にも、コードレビューを行うことでチームメンバー同士のコミュニケーションを深め、技術的なスキルやベストプラクティスの共有を促進し、開発チーム全体の技術レベル向上にも繋がります。

コードレビューのポイント

明確で具体的なコメントを行う

コードレビューを行う際には、分かりやすくかつ具体的なコメントをすることが重要です。

レビュアーが分かりやすく具体的な指摘や改善案を示すことで、レビュイーが問題を理解しやすくなります。

言及しているコードの行番号や関数名を指定してコメントを行うことで該当箇所が明確になります。

また、コメントに具体的な解決策や改善案を含めてあげることで、コメントの内容を理解しやすくなり、レビュイーが適切な対応を行いやすくなります。

建設的なコミュニケーションを心がける

コードレビューは品質を保つだけでなく、チームメンバーとのコミュニケーションの場でもあります。

コメントやフィードバックを行う際には、相手の意図を尊重し対話的なアプローチを取ることが重要です。

上から目線や強い言葉使いにならないよう適切な言葉やマナーを保ちながら、問題点を共有し解決策を協力して見つけていく姿勢が大切です。

より高い品質を目指して建設的なコミュニケーションを行うことを心がけましょう。

ポジティブなフィードバックを積極的に行う

コードレビューでは、ポジティブなフィードバックを積極的に行うことが重要です。

コードの改善提案やアドバイスだけを伝えるのではなく、レビュアーから見て良いと思った点を褒めるなどのポジティブなフィードバックやコメントをすることで、開発者のモチベーションや自信を高めることができます。

開発者の自信を高めることで積極的にコードレビューを行うようになり、品質の向上に向けた活動が増えるだけでなく、開発者の成長と向上に対する意欲を促すこともできます。

ネガティブなフィードバックを適切に伝える

ポジティブなフィードバックを行う一方で、ネガティブなフィードバックをしないといけない場面もあるでしょう。

ネガティブなフィードバックを行う際には、より適切な伝え方が求められます。

一方的に正しい書き方をコメントするのではなく、今の書き方だと何が問題なのかや具体的にどういったリスクが生じ得るのかをコメントに含めます。

具体的な問題点を指摘し、解決策や改善案を提案することで、建設的なフィードバックを提供できます。

レビュイーは、ネガティブなフィードバックを貰ってもプロダクトの品質のため・自身の成長のためと受け入れ、自身のスキルや知識の向上に繋げる意識を持つことが重要です。

また、当たり前ですが、強い言葉や攻撃的な表現は避け、レビュイーを傷つけないように心がけましょう。

主観的な意見と客観的な事実を区別する

コードレビューでは、主観的な意見と客観的な事実を区別することが重要です。

主観的な意見は個人の好みやスタイルに基づいており、客観的な評価基準とは異なる場合があります。

レビュアーは客観的な事実に基づいて指摘し、コードの品質や標準に従った評価を行うべきです。

相手の意見を尊重し、建設的なディスカッションを促す

コードレビューはレビュアー→レビュイーのような一方的な指導の機会ではありません。

レビュアー⇄レビュイーとなるような意見交換やディスカッションの場でもあります。

そのため、レビュアーもレビュイーも、コードレビューでは相手の意見を尊重し異なる視点やアイデアを受け入れる姿勢を持つことが重要です。

意見の相違があっても、相手の意図を理解し、対話を通じて共通の解決策を見つける努力をしましょう。

コミュニケーションスキルと柔軟性を活かして、プロジェクトの成果を最大化することが目指されます。

クリーヴァでのコードレビュー

クリーヴァではコードレビューを行う際には、コードレビューの目的や重要性を理解した上で、コードレビューのポイントを踏まえてレビューを行うことを心がけています。

クリーヴァでは、コードレビューはGithub上で行なっており、該当箇所を明確にした上でコメントや提案を行います。

例)コメント、提案

このように明確にコメントすることで、レビュワーも指摘箇所を把握しやすく、コメントの内容も理解しやすくなります。

また、コメント内容についてもレビュイーの意見や考えを一方的に伝えるのでなく、提案するように伝えています。

コードレビューで積極的にメンバー同士の意見交換を行える環境を意識することで、チーム全体の知識向上を目指します。

また、レビューを行なった結果、レビュワーが良いと思ったところについてはそのままポジティブなフィードバックを返しています。

例)ポジティブなフィードバック

このように修正点以外も伝えることでコードレビューに対して悪い印象を持たないようにし、レビュワーのモチベーションや自信を高めることを心がけています。

まとめ

コードレビューはソフトウェア開発において重要な要素です。

コードの品質向上やバグの早期発見という質を高めるだけでなく、開発チーム内の知識共有や技術レベルの向上にも貢献します。

コードレビューを効果的に行うためには明確で具体的なコメントや建設的なコミュニケーションを意識すること、主観的な意見と客観的な事実を区別することなどいくつか重要なポイントがあります。

コードレビューを行う際にはそれらを意識して行いましょう。

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