マッチングアプリ開発の費用相場と安くするコツを解説〜個人依頼と開発会社の違いも説明〜
マッチングアプリの開発を外注する際、費用の相場が気になるかと思います。
開発費用は安くしつつ、必要不可欠なポイントを押さえてアプリを作るためには、いくつかコツがあります。
この記事では、マッチングアプリの開発費用の相場や費用を安くするコツ、個人依頼と開発会社に外注した際の違いについても解説しました。ぜひ最後までご覧ください。
マッチングアプリとは?
マッチングアプリには、さまざまなジャンルのものがあります。またマッチングアプリ特有の注意事項があるため、開発を依頼する前に把握しておきましょう。
マッチングアプリの概要
マッチングアプリとは、目的に応じて人と人との出会いや、人とサービスとのマッチングを手助けするアプリです。
恋愛や出会い系のマッチングアプリを思い浮かべる人も多いかと思いますが、そのほかにも同じ趣味を持った人同士をつなげるマッチング、子育て関連ではママ友作りやベビーシッターを探すマッチングなどもあります。
人とサービスのマッチングアプリでは、料理宅配や荷物の配送、民泊にいたるまで多種多様なマッチングアプリがあります。
ビジネスの場面でも、特定のスキルを持った人材を探したり、業者同士をマッチングしたり、転職に利用したり、といったマッチングまで幅広く使われています。
マッチングアプリを開発するなら知っておきたい注意点
マッチングアプリを開発する際には、リリース時の審査が厳しいことを念頭に置かなければなりません。
「出会い系サイト規制法」に準拠する必要があるため、他の一般的なアプリより厳しいルールが設けられています。
具体的には、未成年が参加できない仕組み作り、不適切なキーワードを書き込めない仕様などが必要です。
アプリ自体のデザインや機能に優れていても、ルールを守られていなければリリースできないため、企画の段階でアプリの概要をまとめて法律上問題がないかチェックが必要です。
マッチングアプリの開発費用の相場
マッチングアプリの開発費用の相場は約500万円〜1,000万円です。その他のシンプルなアプリ開発と比べると費用は高額になりやすいと言えます。
開発費用が高額になる理由は、マッチングアプリに必須の機能に加え、追加で搭載する機能の多さにあります。
機能の例としては、男性と女性・依頼する側と依頼される側の機能、運用者用の機能、ニーズの異なる利用者ごとの機能など様々です。これらを定義して開発する必要があるため、開発するものが多くなり、必然的に開発期間も長くなります。
また開発前に見落としがちな費用も開発費がかさむ原因であるため、併せて解説します。
必須の機能
前述した法律に準拠するため、マッチングアプリに必須の機能として、以下のものがあります。
- 不適切なユーザーや違反行為を取り締まる機能
- 運営・監視システム
- 個人情報漏えい防止のセキュリティ対策
マッチングアプリであれば、シンプルなものでもリリース審査のためには必要不可欠です。この必須の機能だけでも、費用が大きくかかります。
追加で搭載する機能
マッチングアプリに追加で搭載する機能は多岐にわたります。会員登録をはじめ、メッセージ機能、通知機能などさまざまですが、よく搭載される機能は以下の通りです。
機能 | 内容 | 費用目安 |
---|---|---|
会員登録機能 | 新規ユーザーが会員登録するための機能 | 30~50万円 |
ログイン、ログアウト機能 | 会員ユーザーがログインするための機能 | 30~50万円 |
案件一覧、詳細、検索機能 | ユーザーが商品やサービスを閲覧するための機能 | 30~50万円 |
申し込み機能 | 人とサービスとのマッチングにおいて、商品やサービスを購入する機能 | 10~30万円 |
メッセージ機能 | ユーザー同士がメッセージのやり取りをするための機能 | 30~100万円 |
お気に入り機能 | ユーザーが検討中の商品やサービスを保存できる機能 | 10~30万円 |
受発注確認機能 | 受注側が注文状況を確認するための機能 | 30~50万円 |
ユーザー管理機能 | 管理者がユーザーの登録情報、サイト内利用権限などを管理する機能 | 20~50万円 |
メール通知機能 | メールの送受信を通知するための機能 | 10~30万円 |
利用規約 | サイト内に表示する利用規約を設定する機能 | 10~万円 |
運用者管理画面 | サイト運用のための管理画面 | 10~100万円 |
※表中の表現は筆者にて一部改変
見落としがちな費用
上記の費用は開発段階で必要となるものですが、マッチングアプリの開発後にもかかる費用があります。事前に予算に含めましょう。
- 運営費用
- 維持費用
- プラットフォーム手数料
運営費用
マッチングアプリを開発した後も、運営費用がかかります。内容によって金額の差が大きいですが、月2〜50万円程度を想定しておきましょう。
内訳としては、サーバー費用が月2〜5万、ユーザー集客の広告を出すなら月数十万以上です。特にサーバー費用は毎月かかり続けるため、長期的な予算を組む必要があります。
維持費用
運用保守といった維持費用も月5〜10万程度かかります。
開発・リリース後のシステムのバグやトラブルの修正対応、通信エラー対応などがよく挙げられます。またアプリと切り離せない定期的なOSのアップデートによるバグもあり、様々な対応を要します。
これらのトラブル対応は、自社でできれば費用は抑えられますが、人的リソースを割いてしまうことが問題点です。そのため、開発費用として予算に組み込むことを推奨します。
プラットフォームの手数料
忘れがちですが、マッチングアプリをリリースするにはプラットフォームの手数料がかかることを覚えておきましょう。
アプリのリリース時に価格の最大30%の手数料がかかるほか、アプリストアの登録手数料も必要です。
登録手数料はApp Storeは毎年99ドル、Google Playは登録時1回のみ25ドルがかかります。それぞれのアプリストアで手数料が必要となるため、iOSとAndroidの両者でリリースする場合は、その分の費用負担が必要になります。
マッチングアプリの開発費用が変動する理由
マッチングアプリの開発費用が変動する理由の多くは、搭載する機能の数にあります。
最小限の機能でシンプルなアプリなら安価にできますが、様々な機能を追加すると開発工数がかさみ、結果費用が高額となります。
開発費用の算出方法
マッチングアプリに限りませんが、システム開発の費用は人件費が大半を占めています。
人件費を算出するには「人月(にんげつ)」という工数単位を用います。
エンジニア1人が1ヶ月に作業した場合の人件費を「人月単価」と言い、エンジニアのスキルや会社の規模などによって異なります。詳しくはこちらの記事で解説していますので、ご覧ください。
システム開発費用の相場や内訳・妥当性を徹底解説~開発のパターン別に費用を説明~
マッチングアプリの開発費用を抑えるポイント
マッチングアプリの開発費用を抑えるにはいくつかポイントがあります。
システム開発全般に共通するポイントとマッチングアプリならではのポイントもあるため、併せて解説します。
不要な機能は搭載しない
マッチングアプリに限らず、システム開発は搭載する機能が増えるほど開発費用はかさみます。
他のアプリと差別化を図りたいものですが、1つの機能ごとに10万円以上の費用が追加されるため、搭載する機能は絞りましょう。
「最初は必要な機能のみの実装、リリース後必要なら追加」とすれば費用が抑えられます。
サーバー・運用保守費用を抑える
システム開発は開発した後も費用がかかります。
マッチングアプリの運用にはランニングコストとしてサーバー費用が必要です。
クラウドサーバーを選べば初期費用は抑えられますが、月々のランニングコストはユーザー数により変動するため注意しましょう。相場は、運用初期が2〜5万円、ユーザーが数万人単位となると10万円以上です。またサーバーのスペックや提供会社によっても上下します。
運用保守の費用は、リリース当初は修正や調整が必要な場合が多いため、月に5〜10万円くらいを想定しておきましょう。システムは長期的に運用すると安定してくるため、1年経過する頃には調整も減ります。この頃に運用保守のサービスの見直しをすることをおすすめします。
開発方法の選び方で抑える
システム開発では開発方法の選び方でも費用が大きく変わります。
1から開発する方法であれば、期間も長期化し費用も高額になりがちです。
一方、パッケージを使った開発であれば、カスタマイズに一定の制限はあるものの、期間も短縮できコスト削減にもなります。
マッチングサイトも検討する
マッチングアプリの場合、プラットフォームの手数料がかかることや、App StoreとGoogle Playそれぞれに合わせて開発するので、費用が必然的に高くなります。
そのため、スマホアプリではなくWebブラウザで利用するマッチングサイトを検討するのも一つの方法です。
マッチングサイトでであれば上記の手数料も不要なうえ、アプリストア(OS)ごとに開発しないで済むため、工数の削減・開発期間の短縮・費用の削減につながります。マッチングサイトの開発費用相場は約100万〜500万円であるため、アプリの相場と比べると安いことは明らかです。
早く作りたい、費用を安くしたい、アプリにこだわらないのであれば、マッチングサイトの開発を検討するのも一つの方法と言えます。
個人でマッチングアプリの開発はできるか
クラウドソーシングサイトの普及により、個人でアプリの開発をする人も増えていますが、個人でマッチングアプリを開発するのは可能なのでしょうか。個人開発の際の費用や注意点についても併せて解説します。
個人開発の場合の費用
マッチングアプリを自力で開発すれば、初期費用は50万円程度に抑えられますが、開発期間は長期化します。また開発経験が少なければ、スクール代等も必要となります。その場合は学習コストも合わせて最大100万程度を想定しておきましょう。
クラウドソーシングなどで個人に依頼するなら、プログラマー1人当たりの人件費は月40〜60万円ですが、開発期間に左右される注意が必要です。
開発期間については、開発会社であれば4〜5ヶ月のケースが多いですが、個人であれば更に期間がかかると想定されます。結果、そこまで安くはできないと考えましょう。
個人開発の注意点
個人開発で注意すべき点は主に2つあります。
一つは開発過程でミスが出やすく、テストを慎重に行う必要がある点です。
もう一つは、マッチングアプリの審査の厳しさにあります。開発後、申請し審査を受ける必要がありますが、基準を満たしていなければリジェクト(審査落ち)されます。その場合、指摘事項を修正して、再度申請し審査を受けなければなりません。
テストと審査の面からも、個人開発はマッチングアプリの実績が余程多くなければリスクが大きくなります。リリースまでスムーズに進めるためには、個人ではなく開発会社を選びましょう。
マッチングアプリの開発会社を選ぶコツ
マッチングアプリの開発会社を選ぶコツは、開発実績や開発後のサポートにあります。
マッチングアプリは開発して終わりではありません。リリース後も、運営や集客、機能の追加や修正、アップデート対策など運用保守は必要不可欠です。
規模が大きい開発会社は運営管理体制が厳密であるものの費用相場は概ね高額です。会社の規模よりも、開発ノウハウの充実度・サポートの手厚さなどで選ぶことをおすすめします。
まとめ
この記事では、マッチングアプリの開発費用の相場や注意点について解説しました。
- マッチングアプリの開発にあたり、審査について把握しておく
- 開発費用の相場は、約500万〜1000万円と比較的高額
- マッチングアプリには必須の機能と、必要に応じて追加する機能がある
- 開発費用が変動する理由は、機能数とそれにともなう人件費
- マッチングアプリの開発費用を抑えるポイントがいくつかある
- 開発会社は、規模の大きさより開発実績やサポートの手厚さで選ぶと良い
上記の内容をもとにマッチングアプリの開発を外注すると、費用を抑えられ、より満足度の高いアプリを開発できるでしょう。
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