マルチベンダーコントロールとは?重要性と成功させるポイントを解説

マルチベンダーコントロール

大型プロジェクトに関わることになると、複数のベンダーを上手に管理できるか不安に思うこともあるのではないでしょうか。

シングルベンダーであっても管理や、やりとりは大変なものです。それが複数となると業務の負荷や煩雑さに悩まされる方も多いでしょう。

そこでこの記事では、マルチベンダー体制のメリット・デメリット、マルチベンダーコントロールの重要性と成功させるポイントを解説します。これからマルチベンダー体制でプロジェクトに関わる方はぜひ最後までご覧ください。

目次

マルチベンダーコントロールが重要視される背景

近年、ITサービスの提供において、複数のベンダーを組み合わせて利用することが一般的になってきました。これは、ベンダーごとに得意とする分野や技術が異なるため、最適なサービスを選択することで、品質の向上・コストの削減ができるためです。

また、これまでアナログで行ってきた業務もデジタル化が進み、さまざまなパッケージの導入なども進められています。このため、複数のベンダーと関わらざるを得ない側面もあると言えるでしょう。

しかし、複数のベンダーを管理することは、単一のベンダーと比べて、より複雑で困難な課題を抱えています。例えば、ベンダー間の連携や調整、契約や納期の管理、品質やパフォーマンスの評価などです。

これらの課題に対処するためには、マルチベンダーコントロールというスキルが必要になります。

マルチベンダーコントロールとは、複数のベンダーを統合的に管理することです。プロジェクトを滞りなく推進させ成功を目指すためには欠かせないため、今後も必要性は高まるでしょう。

ベンダーコントロールについてはこちらの記事で解説しています。

マルチベンダー体制のメリット

マルチベンダー体制のメリットはいくつかありますが、その一つはベンダーロックインを回避できる点にあります。また、コストの削減や専門性の高いベンダーに依頼できる点も強みです。以下でそれぞれ解説します。

ベンダーロックインを回避できる

ベンダーロックインとは、ベンダーに依存状態となり、他のベンダーへの切り替えが困難となることを指します。そのベンダー独自の技術を使用していることで移行が難しくなることは珍しくありません。技術面で移行に問題がなくても、契約上の理由で移行に際して多額の金額がかかることもあります。

できるだけ避けたいベンダーロックインですが、シングルベンダー(1つのベンダー)であるとリスクが高まる傾向にあります。ここで有効となるのがマルチベンダー体制です。複数のベンダーでプロジェクトを推進することで、特定の技術や規格への依存をなくし、ベンダーロックインを回避しやすくなります。また、ベンダーのパフォーマンスや品質が低下した場合にも、他のベンダーへの移行が容易となることもメリットと言えるでしょう。

コストを抑えられる

マルチベンダー体制では、複数のベンダーから見積もりをとり比較できるため、価格交渉の余地が生まれます。また、必要最低限の機能やシステムを組み合わせることもでき、費用を抑えることも可能です。

より専門性の高いベンダーに依頼できる

マルチベンダー体制では、複数のベンダーの製品を組み合わせるため、上手く組み合わせればより高度なシステムが構築できます。

ベンダーには、サーバー・ネットワーク・ソフトウェア・セキュリティなど得意分野があるものです。それぞれの強み・専門性を活かして選定すれば、より品質の高いシステムを構築することも可能でしょう

マルチベンダー体制のデメリット

マルチベンダー体制のデメリットは業務の煩雑化と、リスクの増大にあります。

シングルベンダーのベンダーコントロールの業務が単純に複数ベンダー分増えるわけであり、そのタスクの増大は明白でしょう。

より細やかなコミュニケーションが必要になる

マルチベンダー体制を円滑に運営するには、複数のベンダーと連携する必要があるため、より細やかにコミュニケーションを取らなければなりません。

シングルベンダーではその1社とだけ綿密にコミュニケーションを取ればよかったものが、単純に複数となることを考えると、その大変さがお分かりいただけるでしょう。

例えば、各ベンダー間の責任範囲の明確化やシステムの変更内容や課題の共有なども含まれます。またそれぞれのベンダーでコミュニケーションの手段が異なれば統一する必要もあるでしょう。こういったコミュニケーションには時間や労力がかかります。しかし不十分であればトラブルや認識のずれが生じる可能性があるため、注意が必要です。

リスクが増える

シングルベンダーであっても外部パートナーに発注・管理する際には進行などに際してリスクが発生するものです。これが複数となるとさらにその可能性は高まります。

例えば、各ベンダーの技術レベルや品質管理が不十分だと開発にあたりシステムの不具合や遅延を引き起こす可能性もあるでしょう。他にはセキュリティ対策が甘いとシステムの情報漏洩やサイバー攻撃に晒されることもあるかもしれません。

マルチベンダー体制はメリットが大きいものの管理に仕方によってはリスクが増えることを覚えておきましょう。

管理が煩雑になる

複数のベンダーの取りまとめをしなければならないため、必然的に管理も煩雑になります。

プロジェクト全体像や各ベンダーの契約内容や進捗状況、パフォーマンスの評価やフィードバックなど、タスクも膨大となります。さらに、対応する窓口もバラバラになるためベンダーコントロール担当者の負担は計り知れません。

マルチベンダーコントロールを成功させるポイント

マルチベンダーコントロールを成功させるには、戦略の策定から連携、評価と対応が必要不可欠です。以下でそれぞれ解説します。

マルチベンダー戦略をたてる

プロジェクトの目標・ニーズに合わせて、どのようなベンダーを選択し、どのような役割分担や契約形態を設定するかを明確にする必要があります。担当が曖昧であると、トラブルの元になりやすいものです。そのため、特に「どこまでが作業範囲となるか」を明確にしておかなければなりません。

マルチベンダー体制の構築

複数のベンダーを統括するために、役割・プロセス・ルールなどを定義して運用することが重要です。必要に応じてPMOのような組織を立ち上げる場合もあるでしょう。

また、ベンダー間の連携や調整を促進する仕組みやコミュニケーション手段も必要です。

できるだけ、ベンダー側の専門性の高い人材に参画してもらうことでよりスムーズに連携できるでしょう。

マルチベンダーモニタリングの実施

各ベンダーの技術レベルやパフォーマンスを定期的に測定し、評価することはベンダーコントロールに欠かせません。

また、問題やリスクが発生した場合には、迅速に対応し、改善策を実行する必要があります。

まとめ|マルチベンダーコントロールでプロジェクトを成功させよう

ITプロジェクトの大規模化・高度化に伴い、マルチベンダー体制は増加傾向にあります。

シングルベンダーで行っていた、あらゆる管理やコミュニケーションがベンダーの数だけ増えることになり、その業務の煩雑さは想像にかたくありません。

そこで注目されているのがマルチベンダーコントロールです。複数のベンダーと横断的に関わり管理することでプロジェクトの成功を目指します。マルチベンダー体制を上手く管理できれば、コストを抑えた状態で、より高度なシステムも開発可能です。

戦略からモニタリングまで業務は多岐に渡りますが、マルチベンダーコントロールによりプロジェクトを成功させましょう。

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