PMOとは?ベンダーコントロールに役立つ役割と必要性を解説

pmo_ベンダーコントロール

「ベンダーコントロールに携わることになったけど、上手くいかない」「PMOを導入しようか検討しているけど、本当にメリットがあるのか?」などと気になる方もいるかと思います。

PMOは主に大規模プロジェクトでPMをサポートする組織で、近年注目されています。自社のプロジェクトを成功させるため、ぜひ活用したいものです。

そこでこの記事ではPMOの概要と役割、導入のメリットとベンダーコントロールにおける必要性を解説します。プロジェクトの管理でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

PMOとは

PMOとは、Project Management Officeの略で、企業のITプロジェクトの成功を目指しマネジメントする専門組織を指します。

プロジェクトの統括・管理というとPM(プロジェクトマネージャ)を思い浮かべる方も多いかもしれません。PMは責任者であり、担う役割も多岐に渡っています。しかし、近年企業のプロジェクトは高度化・複雑化しており、PM1人に任せるには負担が大きいものです。

2018年の調査によるとシステム開発の成功率は約50%と言われており、実に約半数のシステムが失敗に終わっていることが分かりました。システムが完成しなかったり、進捗が遅延したり、コストが大幅に超過してしまったりと、当初の計画通りに進めるのは意外に難しいのです。

そこで、PMOがPMの意思決定や管理業務を支援するなどしてバックアップして、プロジェクトの成功率を上げるべく運営されています。

また、PMOの運用形態は主に2種類あり、企業内に設置される場合だけでなく、外部から専門家を派遣する場合もあります。プロジェクトの規模や内容に応じて使い分けるケースもあるようです。

PMOの業務・役割

PMOの業務や役割はプロジェクトによって異なりますが、一般的には「進捗管理」「ファシリテーション」「PMのサポート」の3つが挙げられます。

プロジェクトの進捗管理

PMOの最も大きな役割と言えるのがプロジェクトの進捗管理です。プロジェクトのスケジュールやコスト、品質などの進捗状況を把握し、ツールを用いて進捗状況を可視化します

また、進捗に遅れや問題が発生した場合は、原因分析や対策立案をし、プロジェクトのリスク管理を行います。

プロジェクトのファシリテーション

大規模プロジェクトでは多数のチームで仕事を分担して行っています。その際にチームを横断してファシリテーションするのもPMOの役割です。

ミーティングなど調整・リソース管理を行うことで、プロジェクトに関わるメンバー間のコミュニケーションを円滑にしています。また、プロジェクトの目標や方針、役割分担などを明確にし、メンバーのモチベーション向上やチームビルディングも支援します。

これまでは複数のチームをまたぐ課題が生じても、解決が煩雑になるため放置されがちでした。しかし、PMOの働きにより、1つのチームとして課題を解決できるようになります。

PMのサポート

プロジェクトマネージャー(PM)のサポートもPMOの重要な役割です。大規模プロジェクトにおけるPMの業務は非常に多く、PM1人での遂行は容易ではありません。

そこでPMOは、PMがプロジェクトを効率的に管理するために必要な情報や資料、ツールなどを提供します。また、PMが課題や悩みを相談できるパートナーとして、アドバイスやフィードバックを行い、プロジェクトを成功に導いているのです。

PMO導入のメリット

プロジェクトの規模が大きく複雑になるほど、PMだけでカバーするのが難しくなるため、PMO導入のメリットも大きくなるでしょう。どのような効果があるのか以下で解説します。

プロジェクトの可視化

PMOの導入により、プロジェクトや各チームの状況を可視化しやすくなります。

PMOによりベンダーとの契約や納期、進捗状況などを一元的に管理することで、プロジェクトの全体像を把握しやすくなるためです。また、各チームで起こっている事態・情報を取りまとめてPMに伝えられるため、意思決定を迅速に行えるメリットもあります。

業務の効率化

PMOの横断的な関わりにより業務の効率化が進められるのも大きなメリットです。

PMOは、ベンダーとのコミュニケーションや調整を担当し、プロジェクトのステークホルダーとの連携を強化しています。また、ベンダーに対しての管理作業や情報収集を行うことで業務の標準化や簡素化を図り、プロジェクトのコストや時間を削減できるのです。この結果、PMの作業負荷の軽減にも繋がります。

品質の向上

PMOは全体の状況を把握して管理を標準化することで、生産性・品質の向上にも寄与しています。

なぜなら、ベンダーの成果物やサービスに対して定量的に品質管理や検証を行うことで、不具合や問題点を早期に発見・解決できるためです。

また、PMOはベンダーのパフォーマンスや課題を定期的に評価し、フィードバックや改善策を提供しています。このこともプロジェクトの品質や効率を向上させる要因となっているでしょう。

ベンダーコントロールにおけるPMOの必要性

ベンダーコントロールにおいて、PMOの必要性は高まっています。その理由は、プロジェクト管理・リスク管理・コミュニケーションの円滑化にあります

プロジェクト管理のため

大規模プロジェクトの増加によりベンダー管理や契約管理はもはや必要不可欠です。PMOがベンダーとの契約内容や納期、費用などを明確にすることで、プロジェクトの範囲や目的を定義し、変更管理やトラブル解消が可能となります

また、PMOはベンダーとの進捗報告や会議などを通じて、プロジェクトの状況や課題を把握し、必要な場合はエスカレーションや介入も行います。これにより、プロジェクトの遅延や失敗を防ぐことができるのです。

リスク管理のため

ベンダーコントロールにおけるリスク管理の面からもPMOは必要です。ベンダーとの関係には様々なリスクが存在します。

  • ベンダーが契約違反や不正行為を行った場合
  • ベンダーが倒産や撤退した場合
  • ベンダーが提供するサービスや成果物の品質が不十分であった場合

PMOはベンダーコントロールに関連する手法を標準化し、これらのリスクを事前に特定・分析・評価を行い、対策を立案・実行します。これにより、プロジェクトの損失や影響を最小限に抑えることが可能です。

コミュニケーションの円滑化のため

コミュニケーションを円滑に行うためにもPMOは必要と言えます。

なぜなら、大規模プロジェクトにおいては、複数のステークホルダーとのコミュニケーションや調整は難しく、PMOなしでは困難であるためです。

PMOはベンダーとの信頼関係を構築してコミュニケーションを活性化させ、チームに一体感をもたらします。こうしてプロジェクトの目標・課題を共有し、早期に課題やリスクの発見にもつながるのです。

ベンダーコントロールに関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ|PMOを活用したベンダーコントロールでプロジェクトを成功させよう

近年プロジェクトの大規模化・複雑化に伴い、PMの負荷が大きくなっています。そんなPMをサポートし負担を軽減するのがPMOです。

プロジェクトの進捗管理やファシリテーションを行い、PMと二人三脚でプロジェクトを推進していきます。

ベンダーコントロールにおいてもその必要性は高く、複数のベンダーの管理や取りまとめ、あらゆるリスク管理、コミュニケーションの円滑化にも寄与します。

プロジェクトの規模や内容によってはPMOの導入を検討してはいかがでしょうか。

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