こんな時はシステム開発を外注しよう!メリットやデメリット・注意点も解説
これからシステム開発を行うにあたり、内製化すべきか外注すべきか迷うところでしょう。
この記事ではシステム開発を外注すべき場合について解説し、さらにシステム開発外注のメリットやデメリット・注意点についても説明します。
この記事を読むことで、システム開発を外注すべきか安心して判断できるようになります。
システム開発を外注するかどうか検討するポイント
まずはじめに、どのような場合にシステム開発を外注すべきかを解説します。
システム開発を外注するか検討すべきポイント
①自社でシステム開発ができるか
②システム開発の規模が大規模すぎないか
③開発スケジュールの余裕はどうか
以上のポイントをひとつひとつ解説していきます。
①自社にシステム開発ができるIT人材がいるかどうか
まず第一のポイントは、自社にシステム開発ができるIT人材がいるかどうかです。
システム担当者はいても、日常業務も抱えながら新たなシステム開発をする余裕がないかもしれません。
かといってシステム開発のためだけに新たに人材を雇うのは非効率的ですし、求めるスキルを持った人材が見つからないかもしれません。
本当に自社にシステム開発が技術的に可能な人材がいるか、これが第一のポイントです。
②システム開発の規模が大規模かどうか
自社にシステム開発ができる人材が居たとしても、あまりにも大規模なシステム開発では自社のリソースだけでは足りないかもしれません。そのような時は外注を利用するのが良いでしょう。
反対に自社で開発できるような小規模なシステム開発であれば、システム部門で開発が可能かもしれません。
開発するシステムの規模感で外注をするかどうか決める、これが第二のポイントです。
③開発スケジュールに余裕があるかどうか
自社にIT人材がいる、規模感も自社で開発できる、けれどスケジュールに余裕がない。そのような場合は外注を検討してみると良いでしょう。開発スケジュールが急であっても、外注であればリソースを割いて納期までに仕上げてくれます。
システム開発のスケジュールに余裕がない場合は外注を検討する、これが第三のポイントです。
システム開発を外注するメリット
システム開発を外注するメリットは3点あります。
①設備投資が抑制できる
②スケジュール通りに開発を進めてもらえる
③請負契約の場合、契約不適合責任を負ってもらえるため、システムに瑕疵があった場合も安心
これらのメリットについて、ここから解説をしていきます。
①社内で開発チームを作るなどの人件費や設備投資が抑制できる
社内にシステム担当部署があっても、大規模なシステム開発になればなるほど、開発チームを作ったり、設備投資に費用が必要となります。しかしシステム開発を外注するのであれば、既に外注先にあるリソースを使うことができるため、新たな人件費や設備投資を抑制することができます。
また、スポット的に費用を投入することができるため、新たに人材を雇う場合と比べて継続的に発生する人件費や社会保険料なども削減できます。雇用すると、プロジェクトが終了しても人件費が発生し続けてしまいます。
費用の抑制は、システム開発を外注するメリットの一つです。
②希望のスケジュール通りに開発を進めやすい
システム開発の外注契約をして、納期と細かい工程のスケジュールを決めたら、その通りに開発を進めてもらえるのが外注のメリットです。システム開発を内製化する場合は日常業務なども間に入るためスケジュールが乱れてしまいがちになりますが、外注であれば仕事を請け負った以上、責任を持ってスケジュールを守ってもらえます。
短納期のシステム開発であればあるほど、このメリットは強力なものとなるでしょう。
③納品後の瑕疵対応範囲を事前にきちんと契約することで、修正対応をしてもらえる
システム開発を外注する場合は、どのようなシステムを開発するかだけでなく納品後の瑕疵対応範囲を話し合って取り決めることもできます。
システム開発を内製化した場合でも不具合があれば担当者に依頼し修正してもらうことは可能でしょうが、担当者の退職などでブラックボックス化してしまうこともあり得ます。
その点外注では納品後の瑕疵対応範囲を事前に契約に盛り込んでおくことで、必ず修正対応をしてもらえます。
開発したシステムに万全を期すことができるのもシステム開発外注のメリットです。
システム開発を外注するデメリット
システム開発を外注するメリットもあれば、デメリットももちろんあります。
システム開発を外注するデメリット
①システム開発のノウハウが自社に蓄積されない
②要件定義をきちんと行わないと、ニーズとズレが生じてしまう
③スケジュール管理などのため、コミュニケーションコストが発生する
これらのデメリットについて、ここから解説をしていきます。
①システム開発のノウハウが自社に蓄積されない
システム開発を外注するデメリットとして、システム開発のためのノウハウが自社に蓄積されないことが第一に挙げられます。将来的にも継続して外注を利用するのであれば問題ありませんが、いずれ内製化に切り替えることを検討している場合などは、外注によってブラックボックス化してしまうことを避け、自社にノウハウを蓄積する方がメリットがある場合もあります。
②自社事業に精通していないため、ニーズを正確に伝えないとズレが生じてしまう
外注先企業は自社事業を正確に把握しているわけではないため、どのようなシステムが必要なのか、正確に伝えないと仕様とニーズにズレが生じてしまいます。システム開発会社はシステムに関してはプロであっても、その業務に精通しているとは限らず、企業によってもやり方は異なります。
外注先に任せていれば勝手にシステムができるわけではありません。現状の課題が何で、理想の形がどのようになるのか、外注先に依頼する前に自社内でニーズをきちんとヒアリングし、ロジックに落とし込んだ上で要件定義を主体的に行うことが重要です。主体的に要件定義に取り組むことで、開発会社の認識とのズレを防ぐことができます。
③開発スケジュールの管理など、コミュニケーションコストが発生する
外注は頼んだら完成まで丸投げして良いというものではありません。外注先企業内でも進捗管理は行われますが、スケジュール通りに開発が進んでいるか、自社でも管理をする必要があります。また、ひとつひとつの工程で求めるニーズとズレが無いかを確認していくことも必要です。
こういったコミュニケーションコストは無視できるものではありません。システム開発を内製化して人員がつきっきりになるよりは割かれる時間は短くて済みますが、コミュニケーションコストが発生するということも事前に覚悟をしておく必要があります。
システム開発を外注する際の注意点
ここからは、システム開発を外注する際に失敗しないようにするための注意点を解説していきます。
システム開発を外注する際の注意点
①システム開発を丸投げしないで適切に管理する
②多重下請け構造になっていないか注意する
これらの注意点について、ここから解説をしていきます。
①システム開発の全てを丸投げしないで適切に管理する
システム開発は外注したら完成するまで丸投げで良いというものではありません。開発スケジュールの管理のほか、元々の要件定義にあったシステムとなっているか、細かな部分でも認識違いが生じてしまわないように確認をしながら進めていくことが大切です。
システム開発の外注先とはさまざまなコミュニケーションを取ることが必要となってくるため、コミュニケーションスキルが高いと感じられる企業を選んでおくと安心でしょう。コミュニケーションスキルについては客観的な指標が無いため、発注時に複数企業を比較した際、コミュニケーションが取りやすいと感じられた企業を選びたいところです。営業担当とプロジェクトが始まった後に窓口となる担当者が変わる場合もありますので、今後もその担当者が担当するのか確認しておくと安心です。
コミュニケーションの相性が良い企業を選び、丸投げせずに細かなコミュニケーションを取ることで、万が一のトラブル時にもスピーディーな対応が可能になります。
②多重下請け構造になっていないか注意する
外注先が自社開発の企業か、外部委託をしている企業かによって細かい要望の伝えやすさが変わってきます。外部委託や下請け企業を使っている企業では、細かな要望を伝えた際に伝言ゲームのようになってしまい、正確に伝わりにくい場合があります。
自社開発の企業であればエンジニアのスキルが高いことも期待でき、希望した通りのシステムを開発してもらいやすくなります。
システム開発を外注する際は、自社開発の企業か、自社開発の比率の高い企業を選ぶことが大切でしょう。
システム開発の外注での失敗例
システム開発を外注するメリット・デメリットや注意点を把握した上で外注をしても、失敗してしまう場合もあります。
ここからは3つの失敗例を解説し、システム開発の外注に失敗しないよう、備えるためのポイントをお伝えします。
①運用や保守管理を契約に含めておらず、システムの更新ができなかった
まずは契約時の話です。システムを開発することばかりに目線が向いてしまい、完成後の運用や保守管理について契約をしなかったため、システムを使い始めてからの運用管理やセキュリティ面での更新などをしてもらえなかったという失敗例です。
このような失敗をしないために、システム開発を外注する際は定期メンテナンスなども費用に含めて、運用や保守管理をワンストップで対応してもらいましょう。
運用や保守管理だけを他社に依頼するということも可能ですが、費用がかさんでしまう場合があります。
②外注先と連絡が取れなくなってしまった
外注先と連絡が取れなくなってしまうのは深刻なトラブルケースです。フリーランスのエンジニアや、予算を抑えることを重視するあまり実績が乏しい会社に依頼した場合に発生しやすい失敗例です。外注先がシステム開発を投げ出してしまい、連絡も取れず「飛んで」しまうことが稀に発生します。
そのようなトラブルを回避するために、外注先を選ぶ際は開発実績に目を通しておくことが大切です。
③外注先の得意なシステムではなかったため必要以上の増員となり費用がかかってしまった
外注先を費用や実績数だけで判断してはいけません。システム開発は企業により得意不得意なジャンルがあります。必要とするシステムの開発を得意とする企業に外注を依頼すればスムーズに開発が進みますし、反対に不得意な企業に依頼してしまうと、システム開発に時間や手間がかかり、スケジュールに間に合わせるため増員が必要となってしまう場合もあります。
そうすると予定していた予算よりも費用がかかってしまうことにもなり得ます。システム開発を外注する際は、外注先がどのようなシステムの開発を得意としているかを事前に確認しておくことが大切です。
システム開発会社の外注先の選び方
システム開発の外注での失敗を避け、安心して開発を任せられる外注先の選び方はこちらの記事にてまとめてあります。
⇒[システム開発を依頼するなら必見!流れと会社選びのポイントを解説]
また、企業に依頼をする「受託開発」というやり方の他に、「SES(システムエンジニアリングサービス)」という外注方法もあります。
必要なときだけエンジニアを派遣してもらい、スポット的に開発することができますが、派遣契約と違ってSES契約ではエンジニアに直接指示を出すことができない点に注意しましょう。
システム開発を外注した場合の費用相場
システム開発を外注した場合の費用相場は、システムの規模や開発の難しさによって異なります。外注先企業のスキルによっても左右されるでしょう。
システム開発を外注した場合の費用相場についてはこちらの記事にて詳しく記載しておりますので、参考にしてみてください。
⇒[システム開発費用の相場や内訳・妥当性を徹底解説~開発のパターン別に費用を説明~]
ご興味を持たれた方は、以下URLより弊社サービスをご覧ください。