ベンダー選定理由が明確になる!評価基準を解説〜比較を容易にするために〜

ベンダー選定理由が明確になる!評価基準を解説〜比較を容易にするために〜

「ベンダーの選定に携わることになったが、どのような項目を作って点数化すれば良いのかわからない」

「ベンダーに発注の可否を連絡する際に、明確な理由を伝えられる選定をしたい」

このように思われる担当者の方もいるのではないでしょうか?

ベンダー選定は意外に煩雑です。また、評価項目や基準を適切に作れなければ、その後のベンダーの比較の説得力もなくなってしまいます。

そこでこの記事では、ベンダーの評価基準の決め方をプロセスに順を追って解説します。明確な理由を持って選定したい担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

ベンダー選定理由の重要性

ベンダーを選定する際に、客観的な評価なしに選定すると失敗することがあります。選定にあたって、コストや要件を満たしているかは最低限確認するでしょう。しかし、価格が安く機能面の要求を満たしているケースでも、成功するとは限りません。

そのため、細かな評価項目を作成し、配点を考慮したうえで比較することが重要です。評価を点数化することでロジカルな結果となり、発注後のミスマッチやトラブルを回避しやすくなります。

ベンダー評価のプロセス

ベンダー選定におけるプロセスは、一般的に以下の表のような流れで行われます。

事前調査ベンダー候補の調査自社のプロジェクトに関連するサービスや製品を提供しているベンダーを調査する。10社程度に絞り込む
RFIの作成・送付RFIで、ベンダーのサービスや製品に関する情報を求める。また、自社の情報や目的を伝え、簡易的にスクリーニングができるようにする
選定の準備RFPの作成・提出RFIの結果を受け、自社の目的に合わないベンダーを除外したうえで、残りのベンダーにRFPを提出する。自社の要件や課題を記載し、ベンダーからの具体的な解決策を引き出せるようにする
評価項目の決定ベンダーの提案を比較するための評価項目(提案の内容・コスト・納期など)を決める。配点も考え、評価の優先順位を反映する
評価と選定提案の確認RFPの回答をうけ、必要に応じてプレゼンをしてもらう。提案を確認してベンダーを数社に絞り込む
評価と選定基準に照らし合わせて評価し、1社に絞る。それでも難しければ、追加で情報を求める。

ベンダー選定のプロセスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

ベンダーの評価基準の決め方〜選定の理由を明確にするために〜

プロジェクトを成功させるためには、適切なベンダーを選ぶことが重要です。しかし、ベンダーの選定は、多くの提案や情報を比較検討する必要があり、容易ではありません。どのようにすれば、客観的で公平な評価基準を決められるのでしょうか?

ここからは、ベンダーの選定理由を明確にするための評価基準をどう決めるか、順を追って解説します。項目などの例も紹介しますので、評価シートのサンプルをつくる際の参考になれば幸いです。

ベンダーの評価基準を決めるには、以下のように5つのステップに分けると良いでしょう。

  1. 評価項目を決める
  2. 配点を決める
  3. 評価の基準を定める
  4. 提案を点数化する
  5. 集計して比較する

以下で、1つずつ解説していきます。

①評価項目を決める

まずは、ベンダーを評価する項目を決めます。評価項目は、プロジェクトの目的や要件に合わせて設定する必要があります。一般的な評価項目としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 提案内容:機能面で自社の必要な要件を満たしているか、実現性は高いか。
  • コスト:初期開発費はもちろん、その後の保守運用も含める。
  • 経験:自社と同じ業界・業務における実績にはどのようなものがあるか。
  • 信頼性:ベンダーの継続性や財務状況などといった企業の評価。
  • 対応力:ベンダーの体制がどうなっているか。プロジェクトに関わる人数や役割分担(PMの経験など)。開発後のサポートといった長期的な対応が可能か。

評価項目は、プロジェクトの規模や性質によって異なります。必要に応じて、他の項目を追加したり、不要な項目を削除したりしてください。

②配点を決める

次に、各評価項目に配点を決めます。配点は、評価項目の重要度や優先度を反映させるように設定しましょう。合計が100点になるように調整すると集計や比較も容易です。

例えば、提案内容が最も重視されるプロジェクトであれば「提案内容に50点・コストに20点・経験に10点・信頼性に10点・対応力に10点」というように配点を割り振ることも1つの案として考えられます。

配点は、プロジェクトの目標や予算などを考慮して決めます。また、自社内で合意を得ることも重要です。

③評価の基準を定める

次に評価を何段階かに分けましょう。3〜5段階評価、なかでも5段階評価が用いられることもありますが、判断が難しい場合に中間点ばかり選ばれる傾向があります。そのため、4段階のように偶数にしておくとにどっちつかずの評価になりにくくおすすめです

④提案を点数化する

ベンダーからの提案書を確認し、評価項目や基準に沿って点数をつけましょう。必要に応じてプレゼンテーションを受ける場合は、その後評価を更新します。

また、点数化する際には、以下のようなポイントに注意しましょう。

  • 客観的に行う:個人的な好みや感情に左右されないようにすること
  • 一貫性を持つ:同じ評価基準に対して、異なるベンダーに対して同じように点数をつけること
  • 根拠を明確にする:なぜその点数をつけたかを記録しておくこと

客観性・一貫性・明確な根拠に留意して点数化しましょう

⑤集計して比較する

各ベンダーの提案を点数化したら、集計して比較、内容を協議します。評価シートやベンダー比較表を用意しておくと良いでしょう。

集計した結果は、プロジェクトメンバーや関係者と共有し、合意を得ることが重要です。意見や疑問があれば、ベンダーに確認や質問をしましょう。また、合計得点が同じなら、重要視する項目で決めることをおすすめします。

ベンダー選定評価のポイント

ここからはベンダーの評価を行う際のポイントを2つ紹介します。

点数をつけやすくする

評価にあたっては、誰が担当しても同じように点数をつけられなくてはなりません

仮に点数をつけにくいような項目を作成すると、最終的な点数の正確性も曖昧となり、比較材料として十分でないと言えます。

対策としては、評価者が点数をつけやすくするために、評価項目を細分化すると良いでしょう。項目数が増えると一見遠回りなように見えるかもしれません。しかし、1つ1つが点数化しやすいとかかる時間も増えず、また評価の定量化にもつながります。ぜひ項目作成時に取り入れてみてください。

評価項目は早めに決めておく

ベンダー選定のプロセスは意外に工程が多いものです。いくつかのタスクを併行してこなすこともあるでしょう。

しかし、評価項目は早めに決めておくことをおすすめします。概ねRFP作成時点で決めておけば、ベンダーから回答があった際に速やかに評価・点数化できるはずです。

ベンダーも選定結果の連絡を待っているため、迅速に評価・選定のうえ、連絡できるようにしましょう。

まとめ|理由を明確にして最適なベンダー選定をしよう

ベンダーを選定するにあたって、単純に価格や機能のみで選ぶのはおすすめしません。

一見自社の要望を満たしているようでも、トラブルが発生してしまった・プロジェクトが失敗してしまったという事態は起こりえるからです。

このようなトラブルを防ぎ、自社のプロジェクトにマッチしたベンダーを選定するには客観的であり、かつロジカルな理由が必要です。ベンダーの評価項目や基準は企業やプロジェクトによって若干異なります。よくある項目を参考にしつつ、より的確な選考のできる評価シートを作成しましょう。

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