外注化のメリットとデメリットを徹底解説〜内製からの切り替え基準や外注費など〜

外注化のメリットデメリット

自社業務が逼迫されている時など、外注化を検討することもあるかと思います。

しかし、その業務を本当に外注化すべきなのか内製のままの方が良いのか判断するのは意外に難しいものです。

そこでこの記事では、外注化のメリットとデメリット、外注するかどうかの判断基準と外注化する流れ、外注費にまつわる疑問を徹底解説しました。自社業務の一部を外注化しようかお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

外注化とは?

そもそも外注化とは、自社の業務の一部を外部パートナーに行なってもらうための仕組みづくりを指します。依頼先は業者であったり、個人であったりするケースはあるものの、外注化までの大まかな流れや注意点にはさほど変わりはありません。

外注化は、ビジネスにおいて重要な戦略の 1つと言えます。うまく活用すれば企業の成長に繋がるため上手に活用したいものです。一方で、外注化にもデメリットや注意すべき点はあります。そこでここからは、外注化のメリットやデメリットについて解説します。

外注化のメリット

外注化の最大のメリットは、専門技術やスキルを取り入れられることにあります。自社に足りない技術を活用できるのはもちろんのこと、外部の専門家から見た新たな知見を得られる可能性もあり、その恩恵は計り知れません

また、一般的にスキルのある人材を雇用・確保するのは思いのほか大変なものです。しかし、外注であれば、優秀な人材の力を得やすくなります。通常の雇用と比較し、求人から採用コストもさほどかからず、育成コストも不要となるのは外注ならではの強みです。

さらに、外注化により、自社の社員がコア業務に注力できるのもメリットと言えます。この場合、その業務自体は収益とならないノンコア業務を外注化すると良いでしょう。

外注化のデメリット

大きなメリットのある外注化ですが、もちろんデメリットもいくつかあります。外部とやりとりするからこそ生じるデメリットとして、コミュニケーションの難しさは無視できません。

外注を依頼するのはあくまで外部パートナー。自社の企業理念や方針への理解が不十分であったり、コミュニケーションの取り方によっては、認識の違いやズレが生じやすいものです。こういった認識や方向性のすり合わせがやや難しいと感じる場合もあるでしょう。また、単純にコミュニケーションコストがかかる点もデメリットとして挙げられます。

また、外注化においては品質管理も時に難しい場合があります。外注管理に慣れていないと、進捗状況の把握や成果物の修正などで大変な思いをするかもしれません。

優秀な人材を確保しやすい点がメリットとして挙げられましたが、これも表裏一体です。こちらが必要なタイミングで発注できるとは限らないリスクがあること、業種によっては優れた外部パートナーが見つかりにくい可能性があることには注意しておきましょう。

外注化の費用面に関しては、一長一短と言えます。スポット的な活用によりコスト削減ができるケースもあれば、契約内容によっては内製した方が節約できたというケースもあるでしょう。

外注化するかどうかの基準とは?

外注化すべきかどうかの基準は以下の2つで判断します。

  • コア業務へのリソース
  • 人件費

上記の2つを組み合わせた判断基準を以下の表にまとめました。

コア業務のリソースが足りないコア業務に対応するリソースがある
人件費が高い①外注化が最適③時期によっては外注化も視野に
人件費が低い②業務内容によっては外注化も視野に④内製化が最適
外注化の判断基準

※ ただし、人件費に関しては注意が必要です。単純な人件費(給与)のみでなく、設備費用やオフィスの賃料などを含めた総人件費で検討する必要があります。

①のコア業務が逼迫されていて人件費が高額なケースなら、外注化が最適です。前述の外注化によるメリットを最大限享受できるケースと言えます

②のコア業務が逼迫されていて人件費が低いケースは業務内容によって判断しましょう。ある程度スキルを有する社員がいるなら、内製化して自社の底上げする方がメリットが大きいと言えます。

③のコア業務は逼迫されておらず人件費が高いケースは、基本的に外注化しなくても良いでしょう。ただし、時期により繁忙期となるようであれば検討の余地はあります。

④のコア業務へのリソースも確保でき、人件費が低いケースであれば内製化が最適です。内製化により業務効率がアップし、自社にノウハウが蓄積され、機密事項の漏洩リスクも軽減されます。

上記の4つの分類以外であれば、マニュアル化しやすい・企業秘密となる情報を必要としない・担当分けしやすい・専門性が高い、こういった業務も外注化に向いています。

外注化する方法〜ステップを追って解説〜

ここまでの内容で、外注化を進めた方が良いと判断された方も多いかもしれません。しかし、実際に外注化するためには、どのような手続きを踏まなければならないのでしょうか。

以下で、順を追って解説していきます。

契約形態を検討する

外注化の場合、契約形態を「請負契約」か「委任/準委任契約」かで選択することになります。それぞれの違いを以下の表にまとめました。

請負契約委任/準委任契約
特徴・依頼された仕事を完成させて納品した段階で報酬を受け取る(完成させて納品しなければ報酬なし)
・成果物に不備があれば納品後でも修正に応じる義務あり
・依頼された仕事をすることが目的であり、業務の行為をさす(成果物の納品や一定の成果などの義務なし)
・契約で定められた期間中業務を行えば報酬を受け取れる
建造物の建築・プログラミングなどコンサルティング・デザイナーなど
契約形態

請負契約では、発注者から指示のあったものを完成させることで報酬が発生しますが、委任/準委任契約では、発注者から依頼された業務を行うことで報酬が発生します。簡単に言えば、成果物の有無で決められる場合が多いでしょう。

委任契約と準委任契約の内容はほぼ同じですが、法律行為の有無によって扱いが変わります。弁護士・税理士などであれば委任契約、それ以外の一般的なコンサルや講師などは準委任契約となります。

外注先を探す

外注したい業務内容・タスクを洗い出したら、外部パートナーを探しと契約形態を決めたら、外注先の選定します。

適したスキルを有していること、予算に合っているかは大前提にありますが、それだけでなく人柄にも目を向けて探すと良いでしょう。どんなに優秀なパートナーでもコミュニケーションが難しかったり、納期や時間に対してルーズであったりすればトラブルが生じやすいものです。

外注先の見つけ方としては、自社のサイトで募集をしたり、クラウドソーシングを利用したり、紹介してもらったりといった方法が挙げられます。

契約する

外部パートナーを選定したら、いよいよ契約です。

契約にあたっては、業務範囲・納期・報酬契約などを明確にします。さらにトラブル防止に、機密情報や解約に関すること、契約不適合責任(瑕疵担保責任)についても盛り込んでおきましょう

また、外注先が変わると都度指示に手間がかかるため、外注化にあたってマニュアルの作成をおすすめします。

システム開発を外注化する際の注意点

外注化は幅広い業務・業種で行われていますが、システム開発の場合は何に注意すれば良いのでしょうか。

システム開発を外注化するのであれば、どんな課題を解決したいか・何を作りたいかを明確にする必要があります。具体的には、社内でヒアリングしてシステム化すべき業務を洗い出しRFP(提案依頼書)を作成すると良いでしょう

契約内容に関しても注意が必要です。契約形態は、システム開発は請負契約、運用保守は準委任契約が当てはまるケースが多くありますが、いずれの場合もNDA(機密保持契約)の締結も必要です。また、報酬に関しては、保守運用の費用を考慮しなければなりません。リリースした後も正常な稼働・トラブル対応に保守運用は欠かせないため、予算に含めておきましょう。

もちろん、契約後も外注先に丸投げするのは厳禁です。コミュニケーション不足はトラブル発生の原因となります。進捗管理をはじめ、定期的なミーティングの場を設けるなど気を配りましょう。

丸投げすることで起こりうるトラブルに関してはこちらの記事をご覧ください。

外注費に関するよくある質問

ここからは外注費に関するよくある疑問を解説します。税金にまつわる話や費用の抑え方について把握しておきましょう。

外注費の税金について

外注化で支払った費用は、給与とは異なり経理上「外注費」として処理します。外注費と給与の税金の違いは以下の表の通りです。

外注費給与
消費税ありなし(非課税)
源泉徴収ケースにより異なる(※)あり
社会保険料なし負担あり
外注費と給与の税金の違い

※ 原則としてなし。ただし、原稿・挿絵・講演など「所得税法第204条第1項」に該当する報酬であれば源泉徴収を行わなければならない。

外部パートナーに支払う費用は外注費であるため、消費税の納税・社会保険料・源泉徴収の負担が減るメリットがあります。ただし、外注していても、税務調査で給与と認定されてしまうケースがあるため、注意が必要です。外注費と給与の違いを判断する目安は概ね以下の表の通りです。

外注費給与
報酬成果物に対するもの労働時間に対するもの
代替可能か可能その人にしかできない
指揮監督なし受けている
業務に必要な設備・環境受注側が用意発注側が用意
外注費と給与の判断基準

給与と見なされてしまわないように、外注先への対応ややり取りには注意しておきましょう。

費用の抑え方

外注化するにあたり、できればコスト削減したいと考える方も多いものですが、むやみに価格交渉するのは良い関係を築くうえで勧められません。しかし、依頼する業務を絞ると外注費を抑えられる場合もあります。

そのためには、外注したい業務のプロセスを細部まで洗い出して可視化すると良いでしょう。そのうえで、無駄なプロセスを削減し効率化することで、外注すべき業務を厳選できるはずです。

まとめ|外注化を検討したら基準に則り判断しよう

外注化はビジネスにおいて重要な戦略の1つと言えます。しかし、外注化する業務には向き不向きがあるため、基準を考慮したうえで判断すると自社の成長にも繋げられるはずです。

外注化するにあたってパートナーの選定はもちろんですが、契約形態などにも注意が必要であるため、契約書はトラブル予防のためにも慎重に作成しましょう。

外注が適している業務はパートナーに依頼して、社員にはコア業務に注力してもらうことで、企業の業務効率化を図ると良いのではないでしょうか。

クリーヴァでは、SucSak(サクサク)という、月額制でシステム開発チームのレンタルサービスを行なっております。CTOレベルの技術者を外注で活用でき、やりたいことのシステム化をサポートすることも可能です。

ご興味を持たれた方は、以下URLより弊社サービスをご覧ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次